4.蘇った古代エジプトの前世
- 2011.02.27 Sunday
- 20:02
【セティ1世葬祭神殿 アビドス】
1.ファラオの愛人だった少女 (02/22)
http://rimaroom.jugem.jp/?eid=604
2.エジプト人との結婚 (02/24)
http://rimaroom.jugem.jp/?eid=606
3.エジプトでの結婚生活と不思議な体験 (02/25)
http://rimaroom.jugem.jp/?eid=607
のつづきです。
ブルブルとイマームの気持ちはすれ違いつつありました。イマームの唯一の楽しみは息子セティの元気で愛らしい笑顔だけでした。二人は自分たちが別れるのは時間の問題だとうすうす感づいていました。
そんなとき、イマームに1年間イラクで教師をする仕事が舞い込んできました。イマームは快諾し、単身バグダッドへ向かいました。ブルブルも一人になれて喜びました。勉強ができるし、何より夫の食事の支度をしなくてすみました。
ドロシーが数ヶ月かけてホルラーの伝言を翻訳すると70ページの物語ができあがりました。
できあがったのは、まさに私の探していた物語だった。それが本当の出来事だということは私にはわかっていた。だって、私にはその記憶があったから。そして、それからの私の人生はすっかり変わってしまったの。
【古代エジプトの服装】
ホルラーの語る物語
ベントレシャイトは喜びの竪琴という意味
罪人ベントレシャイトよ。そなたは罪を犯した。そなたの罪は死によって贖わねばならぬ。
罪人ベントレシャイトよ、セティの治世にアビドスで起きた悲劇について語るには長い時間を要するであろう。
そなたはアビドスから遠くない村に暮らす貧しい一家に生まれた。そなたの父は兵士であり、母はシリアに祖先を持つ野菜売りだった。母はそなた同様に青い目に、金髪をしていた。それゆえ、そなたの母はこの地方の女性の中でもひときわ目立つ存在だった。だが、体が弱く、いつも病気で寝込みがちだった。
そなたの家はシュナ・パ・ヒブより200キュピトのところにあった。父はアビドス守護隊の一員として北のメン・ネフェルにいた。四ヶ月後、父が帰ってきたときに母は亡くなった。父は母を深く愛しており、その悲しみは言葉にならなかった。父はそなたの将来を案じた。そなたはまだ幼く、父はいずれワセト(ルクソール)の守備隊に配置されることがわかっていた。
父はそなたをアビドスの聖なる泉のそばにある神殿の神官に託してはどうかと考えた。そうすれば、食べ物にも服にも困らないし、世話もしてもらえる。父はそなたにとっては、それが最良の道だと考えた。・・・イシス女神の巫女として生きる誓いを立て、それから長きにわたる訓練が始まる。たとえ大きくなったとしても、世俗の喜びはいっさい捨てなくてはならない。
ベントレシャイトよ、そなたは純潔の誓いを立て、主オシリスの聖なる劇の意味を深く学ばねばならない。そうすれば、そなたの人生は善きものになるであろう。
【セティ1世墓の壁画 死者を運ぶ舟】
メン・マアト・ラーの家(セティ1世神殿)はまだ建築中だった。時のファラオ、セティ1世は、アジアへの遠征に出かけていないときや、国内の問題で忙しくないときに、神殿の建築作業を視察するためにアビドスへやってきた。セティはよき統治者で、まことに勇敢な兵士であった。ある日、セティは神殿の視察を終え、その北側で休息していた。午後になって、「聖なる舟の部屋」の南側の庭を散歩していると、そこに一人の美しい少女がいるのに気づいた。それが、ベントレシャイト、そなただった。セティはすぐに恋に落ちた。許し難い過ちだった。肉体は弱いものだ・・・・
セティにとってそなたは北風にのってやってきたみずみずしい蓮の花だった。その香りが王の鼻をくすぐった。こうしておまえたちは二人とも、そなたが巫女の誓いを立てたことを忘れてしまった・・・
罪人ベントレシャイトよ、セティがアビドスを発つ頃には、そなたの腹は人目にもわかるほどふくらみはじめていた。大神官もそのことに気づいた。そなたが神聖な誓いを破ったことを。大神官は検事であり、審問官であり、処刑人でもあった。そなたが若く、未熟であるからといって、罪が大目に見られることはなかった。エジプトの法では、だれもそなたの弁護をしてくれないことになっていた。そなたは不運だったのだ。
ベントレシャイトよ、不義密通の咎を犯した者は、まず体を清めなくてはならない。それから慈悲の言葉を唱えて、主オシリスとイシスに許しを請いなさい。セティがいまアビドスにいたら、そなたの命は助かったかもしれない。だが、そのたった一つの機会ももはやない。そなたはみずから死を選ばなくてはならない。
ベントレシャイト、そなたの死によってセティとそなたの罪が贖われるわけではない。アメンティ(死者の国)に行っても、そなたたちには厳しい罰が待っている。そなたと王の二人とも、罰を受けなくてはならない。
その後、ふたたびアビドスに戻ってきたセティは、そなたの死を聞いて動転した。王に謁見した大神官は、事の次第をありのままに話した。王の悲しみは筆舌に尽くしがたかった。
のちに宮殿の高官たちは、王が、そなたに初めて会った庭園でうなだれた頭を抱えて、一人で座っている姿を見た。その頬は涙で濡れていたという者もいた。以来、王は死ぬまで一度もアビドスに戻らなかった。
つづく
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