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「西洋“珍”職業づくし―数奇な稼業の物語」乳母

西洋“珍”職業づくし―数奇な稼業の物語
西洋“珍”職業づくし―数奇な稼業の物語
ミヒャエラ フィーザー イルメラ シャウツ Michaela Vieser
悠書館 2014-08-18
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by G-Tools

こんにちは〜HAPPYリマです。
おもしろい本を見つけました。(^∇^)


この本に集められた職業のほとんどは、ヨーロッパで第二次世界大戦が終わるまでは存続していました。
1930年頃までは実際にそういう仕事をしていた人がいたのです。)

その後、社会が激変し、新しい職業が生まれたり、さまざまな発明品が登場したことにより、消滅した職業もありました。
石版印刷工がその例です。

影絵肖像画家はポラロイドカメラ→デジタルカメラへ、
鯨骨加工職人は流行の変化から職を失いました。
パリの気送郵便局員は1984年に終わりました。
大道演歌師は子供も混じっていたので、児童労働禁止で出来なくなりました。
床磨き用砂売り人の子供は細かい砂を吸い込んだ結果、ほとんど年端もいかず亡くなりました。
その他にも多くの職業が消滅し、忘れられていきました。

著者たちは昔の小説の中から、図書館の古い日記や個人の記録、地質図、各地の郷土史家、自分の祖父の記憶から、コツコツと発掘していきました。

移動貸しトイレ業、何でも呑みます屋、蟻の蛹採り、小便壺清掃人、砂売り、コーヒー嗅ぎ担当兵、気送郵便局員、輿かつぎ…など24の職業が紹介されています。
これらを読むと、その頃のヨーロッパの人々の暮らしぶりが想像できておもしろいです。

特に都市の暮らしは意外に不衛生だったようです。
同時代の江戸の暮らしの方が、衛生的で快適そうです。

この中で、女性の職業は一つしか紹介されていませんでした。
他の職業では、助手として女性が出てきます。

それが「乳母」です。
以下、引用です。適当に省略あり。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

乳母
実母に代わり、赤子に母乳を与える女性の職業。
古くから知られ、20世紀に粉乳が登場するまで広くおこなわれた。

乳母
【シルヴェストロ・レーガ 「乳母を訪ねる」 1873】

子供を抱いた乳母と、お供の女性の質素な服装に対して、真中の女性の
上等の服が際立ちます。
貧富の差の大きい階級社会イタリアの状況を描き出しています。


乳母の需要は必要以上にひんぱんだった。
女性は授乳することにより消耗し、早く老けてしまうのだという。
近世まで、人々はそう思い込んでいたのだった。
肉体が枯れしぼんでいくという、あまり好ましくない見通しから逃れようと、古代ローマの上層の婦人たちは女奴隷を乳母として使ったのである。

古代ローマの歴史家タキトゥスは、ゲルマンの女性たちが子供に自分で乳を与えていると言って賛美したものである。

ルネサンス期の芸術家たちは「授乳の聖母」像を教会に残しているが、実母の乳を飲んで育ったのはラファエロだけだった。

乳母の性格が母乳を通して、子供に影響を与えるという説も信じられていた。

1780年パリで生まれた二万千人の子供のうち、一万七千人が乳母の田舎に連れて行かれ、七百人が通いの乳母の恩恵を受け、二千から三千人の子供が施設に預けられた。生母のもとにとどめられたのは七百人にすぎない。

ハンブルクでも同様だった。
18世紀には四千から五千人の乳母は街中で働いていた。

赤子に乳を与えることはつまらないし、嫌悪すべきこと、楽しくも、すばらしくもないことと見なされていた。
けれども、一家の父親にとっても、乳母の存在は別の利点があった。妻がすぐにまた妊娠することができるし、子供が大勢育つことができる。

こうして、乳母という職業は田舎の平凡な女性たちにとって実入りの良い仕事になった。
何より大事なのは母乳が出ることだったので、乳母に出すためにわが娘を妊娠するように仕向ける父親もいたほどだ。

ベルリンで皇帝ヴィルヘルム二世の子供たちが、ソルビア人の乳母に育てられてから、ソルビア人の女性は理想の子守女の典型として、ベルリン周辺のステイタス・シンボルとなった。
乳母たちに中には、ソルビア人の民族衣装を着て、ソルビア人のふりをする者もいた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

リマ:日本でも、高い身分の人やお金持ちは乳母を雇っていました。
娼婦と共に、古くから在る女性だけの職業ですね。

子供にとって実母と乳母とどちらが良いかは議論するまでもありません。
当時の社会では当たり前のことだったので、誰も疑問に思わなかったのでしょう。


職業の変遷から当時の生活がわかるのって実に興味深いです。
o(^o^)o


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2015.04.21 Tuesday 08:28 | comments(0) | - | 
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