詩「がんばれナラの木」
- 2011.08.03 Wednesday
- 21:48
【ナラ 落葉性の広葉樹の総称。 英語名 オーク oak】
まだ咳が抜けなくて寝ながらラジオを聞いていました。
そこで、紹介された詩が心を打ちました。
インタビューに応じているのは、動物生態学者高槻成紀さんです。主に野生のシカやカモシカの生態調査をしているそうです。(麻布大学野生動物学研究室教授, 生態学専攻)
東日本大震災の後、研究仲間のダイアナ・ドーンクライダーさんからステキな詩が送られてきました。それを声に出してゆっくり読み上げていると、心に響くものがありました。高槻さんはこれを東北の人たちにも読んでもらいたいと思い、自分で日本語に翻訳しました。
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ナラの木 (高槻成紀訳)
たいそう強い風が吹きました
昼となく夜となく
ナラの木のすべての葉っぱを吹き飛ばし
枝をびゅんびゅんと揺らし
木の皮も引きはがすほどでした
ついにナラの木は丸はだかになってしまいました
それでも地面にしっかり立っていました
ほかの木はみんな倒れてしまいました
くたびれてしまった風は
あきらめて言いました
「ナラの木よ、どうしてまだ立っていられるのだい?」
ナラの木は言いました
「あなたは私の枝を折ることも
すべての葉っぱを吹き飛ばすことも
枝を揺らすことも
私をゆさゆさと揺することもできます
でも私には大地に広がる
根っこがあります
私が生まれたときから
少しずつ強くなりました
あなたはこの根っこには決してさわれません
わかるでしょう
根っこは私のいちばん深い部分なのです
実は今日まで
私はよくわかっていませんでした
自分自身がどれだけものごとに耐えられるかを
でも、今おかげでわかりました
自分が知っていたよりも
私はもっと強くなったのです」
Johnny Ray Ryder Jr.原作, Copyright Hallmark Inc.
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翻訳した詩を読んだ高槻さんは、この詩は東北の言葉なら、もっと心を打つに違いないと確信しました。そして、ネットで「誰かこの詩を東北の言葉に置き換えてくれませんか」と呼びかけました。すると、ポツリポツリと秋田や津軽の言葉に翻訳された詩が戻ってきました。
今では20種類の言葉に翻訳されています。
ラジオで一部朗読されましたが、まるで古い民話のように力強く心を揺さぶられました。言葉の持つ力にはすごい迫力があります。特に古くからの言葉はエネルギーそのものです。
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ナラの木
鈴木尚さん訳、山形県村山地方版
まず まんず たいした 強い風ふいだもんだ
昼も夜もなぐ ふいだんだ
ナラの木の葉っぱ ぜんぶ ぶっ飛んでよ
木の皮までひっぱがされるぐらいなんだっけ
しまいにはよ ナラの木 はだがだべっちゃ
ほんでもよ 地面さぁちゃんとたってだんだぁ
んだげんと ほがの木は みなた倒れだんだ
くたびっではぁ こわくて 風が あぎらめで ゆったど
「ナラの木・・・おまえ なして立ってられるんだ?」
ナラの木 ゆたんだど
「おまえは 俺ば わさわさ ゆすたり
枝揺らして折ったりでぎんべ
んだげんとも 俺には地面の下さ張った根っこあるんだ
俺は んまっだどぎがら
ちょぺっとずづだげんと 強ぐなってきたんだ
おまえはよ 俺の根っこは 絶対ちょさんねんだ
わがんべぇ
根っこは 俺のいじばん 深いどごさあるんだ
俺もよ ほんとは今日まで よぐわがんねがったんだ
自分自身が どのぐらいのごどさ 耐えられっか
いだげんとも ようやぐ わがったんだ
自分でおもてだよりよ うんと強ぐなってだんだなぁって」
Johnny Ray Ryder Jr.原作, Copyright Hallmark Inc.
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たくさんのバージョンがあります。
ぜひ声に出して味わってみてください。
がんばれナラの木 トップページ
http://blog.goo.ne.jp/oaktree1949
がんばれナラの木 地方訳
http://blog.goo.ne.jp/oaktree1949/c/47f7fd97d40c92b34295bec3c305c1b7
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